空の見える窓から

50代、主婦。ミニマリストになりたい。

それで、お墓はどうするの?

亡くなった父は、地方出身の四男。母は嫁に出た身ですので、新しくお墓が必要になります。実家の墓へ頼んで入れてもらうということもできなくはありませんが、両親はそれを希望していません。

 

子どもは3人。長男は転勤族。

 

今までも、お墓の話は出るのに、一向に用意しようという意思は見られませんでしたが、今回母の気持ちを聞くことができました。

 

「子どもが遠くに離れたら、お墓の世話も大変だし、お墓参りに負担をかけてしまう。一度お墓を建てると、墓じまいには大変なお金と労力がかかる。だったらお墓は作らなくていい」

 

最初は散骨を考えていて、父のお骨もしばらくの間は手元供養をするつもりだったようです。

 

が、最近、宗派が違っても一定期間お骨を預かってお経をあげていただけるお寺さんの話を聞いたようで、少し考えが変わってきたようです。

 

先日、頼んでおいた塗位牌を仏具屋さんに届けてもらったのですが、その際、宗派に合わせてお線香をあげて、お経を詠んでくださったとか。その際、この近辺のお寺さんの様子などもあれこれ尋ねたそうです。

 

長男である弟の意見も聞かないとねということで、その話はおしまいになりましたが、両親の年代だと、やはりお経をあげて供養してもらうというところに、まだまだ心惹かれるものがあるのだなあと感じました。

 

母の話によれば、実家では亡くなった人の50回忌まで、毎月、月命日にはお坊さんが来てお経をあげていくのだそうです。母の実家は農家なのですが、農繁期には家中の者が留守なので、お仏壇にお布施を置いておくと、お坊さんが(勝手に)家に上がり、お経をあげてお布施を持ち帰ったんだとか。

 

月命日には村のお寺さん、年忌法要には菩提寺と、付き合いのあるお寺さんも1か所ではなく複数。亡くなった祖母の葬儀には、お坊さんが7名来られたそうです。弔問客も多かったそうで、「5代より前のつながりの方は、弔問をお断りして大変だったのよ~」

 

という話は、サラリーマン家庭の自分にはまるで違う世界のことに聞こえました。今ではお寺さん1か所とのおつきあいも大変な家庭が多いのに。

 

お寺さんとそういう付き合いのあった家の出身の割には、「一般葬でなく家族葬。お墓もいらない。散骨で」と、割とあっさりした考えを持つ母ですが、供養することの良さもちゃんと実感として持っているのだなあと。

 

急ぐことではありませんし、お墓を建てることはいつでもできます。

 

母の気持ちが定まるまで、見守ろうと思います。