夫婦別財布だった人の末路
話題の本のタイトルをマネしてみましたが、全くかかわりはありません。
マネープランの「マ」の字もなかった父の話。
最近聞いた話では、私の父母はずっと夫婦別財布だったそうです。母は、最初は専業主婦でしたが、子育ての手が離れる40歳ごろからパート勤めを始め、やがてフルタイムでバリバリ働くようになりました。
途中、父の勤め先が倒産し、1年くらい再就職先が決まらなかった時も、母の収入があったから何とか乗り切れたそうです。その頃、大学生2人がいたというのに。尊敬します。
家計費をどのように分担していたかまでは聞いていませんが、母によれば、「会社が倒産した時の退職金の額も知らないし、再就職先のボーナスの額も知らない」。
家に入れるお金以外は、父が全部使っているという認識だったようです。うへー
夫婦別財布の危うさ
父がお金に詳しく、将来を計画的に考える人ならそれもよかったのですが、なんせ、「お金はあるだけ使う人」。介護状態になった時のことなど、ちっとも考えていませんでした。
母はそんな父に対して危機感を持っていたらしく、「何かあったとき用のお金」は少しずつでも貯めるよう意識したそうです。
実際、もし父が長期に施設入所しなければならなかったとしたら、母との2世帯分の費用が必要となるし、かなり厳しかったと思います。
今、母が安心していられるのは、父が60歳以降も(4年くらい?)厚生年金に加入していたから。その分遺族厚生年金も増えます。これは全くの幸運で、定年後も会社で嘱託として働くことができたからです。
決して計画的だったわけではなく、たまたま成り行きでうまくいったにすぎません。
夫婦のゴールがそれぞれ見えているのか
「若いうちに好きなように生きられれば、老後は苦労しても構わない」「若い時は多少我慢しても、老後は快適に暮らしたい」
なんでもいいのですが、夫は夫で、妻は妻で、納得の将来が迎えられれば、別財布だろうが何だろうが構わないと思います。
でも、「相手が貯めていると思い込んでいた。家を買うはずだったのに当てが外れた」とか、「夫婦で収入があるのだから、将来もそれなりに暮らせると思っていたけど、そうでもないらしい」
というのであれば、夫婦で話し合いが必要なのではないかなあ。これから、親の介護をしなければならない人もあると思うけれど、その時も別財布でうまくいくのか。夫婦が望む別々の着地点が見えるのか。
夫婦で合算する家計がオールマイティとは言わないけれど、「今とは別のやり方もあるんじゃないか」ってことだけは意識しておくのが良さそうです。