豊かになる方法は思った以上にシンプル~バビロンの大富豪
散歩の途中で立ち寄ったブックオフで見かけたので思わず購入。2000年3月初版で、別の出版社から出ていました。表紙も黒。

バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか
- 作者: ジョージ・S・クレイソン,大島豊
- 出版社/メーカー: グスコー出版
- 発売日: 2008/08/08
- メディア: 単行本
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パンフレットの形で発表されたのが1926年ということですから、とてもとても息の長いロングセラー本です。
バビロンの優秀な戦車職人バンシアは、懸命に働いているにもかかわらず、一向に豊かな生活を手に入れることができません。そこで大富豪アルカドに成功の秘訣を聞きに行くことにしました。彼が話した黄金の「七つの知恵」とは?
ということで、七つの知恵のうち、3つを挙げてみようと思います。もちろん七つ全部が重要なのですが、私が個人的に根本的な原則と感じられるものです。
豊かになるために、様々な知識や姿勢が言われますが、原則は本当にシンプルなもの。これさえ押さえておけば、必要以上に複雑に物事をこねくり回す必要はありません。
第一の知恵 財布を太らせることから始めよう
収入はすべてを使い切るのではなく、「十分の一」は財布に残しておく。それを続けることで、財布は次第にふくらんでくる。
今で言えば、「先取り貯畜」「天引き貯畜」ってところでしょうか。別に残すように使うでも同じことですが、お財布に残しておくとついつい使ってしまいがち。
第三の知恵 貯めた資金は寝かさずに増やすべし
お金は貯めて置いておくだけでは大きくは増えません。事業や仕事の元手にし、増やしていきます。
物語の中では、大きな商売の元手にすることはもちろん、楯作りの職人に貸し付けたり、蜂蜜ケーキの材料を買い、作って売ることを続けるなど、お金を働かせる例がいくつも出てきます。お金に働いてもらうことで、そのまま寝かせておくよりも、お金は増えて戻ってきます。
今だと、金融商品への投資もそれにあたるでしょうし、技術や知識を増やすためにお金を使うことも投資の一種といえるでしょう。
第四の知恵 損失という災難から貴重な財産を死守すべし
大富豪アルカドも、お金を貯めた後の最初の投資では見事に失敗。宝石を買いに行くレンガ作りに財産を預けたのです。レンガ作りには宝石を見る目が無く、偽物を掴まされて帰ってきました。
望ましいのは、金を操り利益を生むことに経験を積み、知恵のある人に相談することです。(中略)その勧告のおかげで損失を免れたとすれば、勧告の価値はまさに当初投資しようとした金額と同じなのです。
私たちも、利益を生むかどうかよくわからないものにお金を出してしまうことがあります。古代都市に生きた人たちも、現代の私たちと同じような悩みを持ち、その知恵は現代にもかなり役に立つなんて新鮮な驚きでした。
現代はもっと複雑で、もっといろいろな知識が必要なのでは?いいえ、初めは「手元のお金を全部使い切ってしまわない」というごくシンプルなことなんですね。自分で勝手に複雑に考えて、不必要に面倒くさがっていたように思います。
他にも、「身内にお金を貸してくれと頼まれたら」とか、「奴隷の魂を持つか、自由人の魂を持つか」「働きたがらない若者に働くことの価値をどう伝えるか」など、読みやすい物語の形式ですが中身の濃い1冊でした。