無借金の露天商が再び借金をするようになった理由
今日は、ゆとりについて。
コヤンベトゥの露天商の借金(仕入れ資金)を肩代わりしたら、1年後までには全員がまた借金をするようになったという話でした。
借金をするから目先のことしか考えない。次々と場当たり的な対応で問題をやり過ごすうちに借金から抜けられなくなる。ならば、その借金がなくなれば生活は好転するのか?の調査です。
急遽(親戚の結婚式の)贈り物(突発的に起こる大きな出費)を買う必要性に迫られたとき、彼女もトンネリングを起こす。(中略)これは緊急事態だ。運転資金は借りて、手元の現金は結婚の贈り物を買うのに使える。今度の借金サイクルからはどうやって出る?その代償は?その答えはもうわかっている。「それをいま心配している場合ではない」。
つまり、逆戻りした理由というのは、
受けるショックを切り抜けるだけの予算のスラック(ゆとり)がないからである。
手元のゆとりよりも大きなショック(=突発的で大きな出費)がまずきっかけとなる。毎日何事もなく過ごせるうちはよくても、一度の大きな出費に耐えられなければ、借金せざるを得ないーーーということです。
大きなショックをしのげるほどの蓄えは、比較的落ち着いているときに少しずつでも備えることが必要。でも、それを認識している人は必ずしも多くはないと言えそうです。
8月の終わりごろに夏休みの宿題に追われているのは、まさにそんな状態。
露天商でなくとも、自動車の修理、給湯器や家電の故障、親戚の不幸など突発的に起こって、しかも保険でもカバーしきれないような事柄は身の回りにたくさんあります。
日本の貯蓄状況
金融広報貯蓄委員会 家計の金融行動に関する世論調査(平成26年)の
<2人以上世帯>を見てみます。
2013年の31.0%よりは若干下がっているがほぼ横ばい。
300~500万円未満の世帯で見ると29.5%と上記とほぼ同じ水準
ゆとりを生み出すには
2人以上の世帯でも3割の人が、何かがきっかけで借金の可能性があるってことですね。逆に考えると、約7割は貯蓄があるということ。
「何がなんでも節約」は好きではありませんが、消費が最適なものかどうかは考える余地がありそう。気持ちの負担にならない程度の積み立て貯蓄(自動でやってくれるから)はおススメということになります。
目先の安さにつられて「安物買いの銭失い」にならない工夫も必要。結局後で買いなおすハメになります。
「降ってわいたような出費」を防ぐためにも、長期で予想される出費の把握と、「どうしても手当てできない時の対応」は考えておきたいところです。この辺は夫婦間でコミュニケーションが取れているほうがより対応しやすいです。
対策することで生まれる心の余裕
お金そのもののゆとりばかりでなく、「起こらないかもしれないけど、何とかなりそう」「夫婦で話し合えたから、協力だってできる。精神的な支えもある」など、備える行動で生まれる「心のゆとり」も、トンネリング(視野が狭くなる)を避けられます。
こういったことを考えるにも、「忙しすぎない」状態にすることが必要。家事や育児の合間の息抜きの重要性は、周囲にどんどんアピールするといいですね。