借金家計は浪費家計ではないこと。借金は返せない以外にも落とし穴がありそう。
これまで、欠乏感→目先のことに追われる→後先考えずに借金といった流れを見てきました。
昨日見つけた記事。かなりの額の借金がある模様。
この中の家計費の内訳をみると、指摘通り食費、光熱費、通信費、日用品費がやや多いかなあという程度で、パッと見には「やりくりを頑張っている家計」に見えます。
ダンナさんのおこづかいもキッチリ絞られているし…(ちょっと気の毒)
とても、浪費しまくってる家計には見えません。キャッシングしていることを除けば、毎月きちんと節約していて、日常贅沢している感覚もないかもしれません。
総収入41万5千円に対し、借金返済額が12万6千円。割合をみると約30%!
ここをスルーして、全額ローンでマイホームを買いたいとのご相談です。
「高額なものを買う時は、みんなローンでしょう?」
12万6千円の内訳は、奨学金、ブライダルローン、家電、キャッシングなど。「共働きだし返せているから手元に無ければ借りればいい」という意識。うーむ、ここでちょっと考え込んでしまいました。
日常的な支出をキャッシングでしのぐ、というのはあまりいい兆候ではありません。
奨学金については有利子ものでも比較的金利が低く、学業のチャンスを逃したくない人には 意義のある制度です。本人も借金であると認識して、卒業後の収入で返していく分には何も問題はありません。
ただ、
- 「進学費用は大金だから、ローンを組む(奨学金)のが当然」
- 「手元のお金で支払えない=大金=だからローン」
という意識がもしあるとしたら、怖いなあと思いました。進学のチャンスはいいとしても、生活費のキャッシングになると、どちらも同じ重みがあるとは思えないのですが、ジャグリング(目先のピンチをどうにかしようとする)にはまると、こうなっちゃうのかなあ。
たとえば、いきなり冷蔵庫が壊れると大変なのもわかります。
奨学金が借金へのハードルを下げているなんてことはないよね?
「奨学金は毎月きちんと返済しているし、これくらいの返済なら負担感がない」というのは素晴らしいことです。進学したことで就職が成功したのなら、奨学金の意義もあったというものです。
でも他の借金への抵抗感までなくなるとしたら、それは将来の負担を増やすことにつながるでしょう。現実に、借金がなければ12万6千円のうちのいくらかは貯蓄や住宅ローンに回せたのですから。
お金のゆとりは、自分で考えているよりもおそらくは多く必要です。想像するに、このご夫婦は毎月総額いくら返済しているか自分の実感として持っていなかったかもしれません。
おそらく借り入れ元毎に返済期日は違うでしょうし。
家計表で収入と支出を見える形にして初めて、それまで黒字であっても、実は危ない家計であったことが実感できたのではないでしょうか。
コヤンベドゥの露天商が再び借金するようになる過程は、とても身近にあるのがわかります。