空の見える窓から

50代、主婦。ミニマリストになりたい。

父、1日飲まず食わず。

3泊4日のショートステイから、父が戻ってきました。 

fukulife.hatenablog.com

 

薬は毎回きちんと飲むように言われるけれど、食事は無理に勧められないし(母は食べないとうるさい)、お風呂は暖かいし(実家は古いので、冬はお風呂場が寒い)、なかなか快適だったそうです。

 

ステイ先では、1日2食は取っていたそうです(出るのは3食)。そのままの勢いで帰宅後も夕食は食べた。

 

が。

 

翌日は食べないということで、19時ごろ母からスマホにメッセージ。

 

「帰ってきた後の夕食は普通に食べたのに、今日は朝も晩も一口しか食べない。どうしよう?」

 

どうしよう?って。

しっかり者の母とは思えん。子供の時はマジ鬼母だと思っていたのに、なんだこの乙女なセリフは。

 

水分補給はどうか聞いてみるとそれも×。発熱があるかどうかその時点ではわからなかったけれど、おそらくショートステイで緊張した疲れもありそうな気がする。

母が精神的に参っているのは確かなので、24時間対応を契約している訪問看護師さんに電話するように言ってみた。

 

多分もう食事を無理強いする時期じゃない。でも、専門家でも経験者でもない私が何を言っても、たぶん母は聞かない。

 

結局、看護師さんが電話で母の精神的ケアもしつつ、無理に食べさせて吐いたりすると体力を消耗することや、誤嚥の危険性もあると説明してくれたおかげで、やっと母も納得した模様。

 

緊急性はなさそうなのはわかったけれど、ここで私は、「食事も水もダメってことは、いよいよなのかな」とネットで終末期の家族向けの資料を調べたりして、気持ちが沈んでいく。

 

実際に確認するため実家へ

 

翌朝、ともかく直接確認するために実家へ。予想通り、母はしんどそうにしているが、精神的なものと分かっているのと、適切なお薬をもらっているのでそっちはとりあえずスルー。

 

その時点で9時を回っていたので、母が「お父さん、朝ごはんは?」と声をかけたのに「うーん、あと1時間(後)」。

あちゃー 血圧上るの決定だわ。

 

ショートステイ中の出来事を父から聞いてみる。

お風呂は2回入ったのに、母が用意した着替えが、あまりにもきっちり1回分ずつビニール袋にセットされているのに施設の職員さんが恐怖を覚えたらしく(笑)、肌着は1回しか交換しなかったらしい。

 

「わかりやすいようにと思ったからそうしたのに。失礼だと思わない?一体他の人はどうしているのよ?」

 

「ウチだと食事や水を取らないと怒られるけれど、(ステイ先では)言われないから楽だよー」

と父が言って大笑いになったり。

 

父も母も盛大にしゃべる。きっと二人だけだとそういう会話にはならないんだろうな。

 

 

レンタルの座椅子が届く

 

一日ベッドで横になっているより、少しは座っていたほうが筋肉の維持にはいいだろうというのと、床から立ち上がるのに相当な時間がかかるようになっているため、電動で座面が上下する座椅子をレンタルすることになった。

 

それが届くというので、事前にトイレへ。ベッドに座るところまでできても、そこからなかなか立ち上がれずにベッドにしりもち。立ち上がれば一人で歩けていたのに、今は手を引いてトイレへ誘導。

 

1週間前にはできていたことが、もうできない。

 

ケアマネさんとレンタル会社の担当さんから、電動座椅子の操作方法の説明を受ける。本人もカタログと見比べながら、注意深く現物をチェックしている。

 

感心したのは、だれも父のそんな様子をやめさせたり無視したりせず、質問には丁寧に答えていただいたこと。注文通りの品であることは、型番さえ合っていれば間違いないのだけれど、本人がこれでいい、間違いないと納得するまでゆっくりと待ってくれる。

 

 

朝食は結局食べず。でも

 

ケアマネさんと業者さんが帰るともうお昼。今までは立ち上がりやすいようにダイニングテーブルで食事をしていたのを、座椅子があるからとコタツで食事をすることに。

 

テーブルは家の北側にあって寒いけれども、コタツがある場所は南側のリビングで明るくて暖かい。内心「もう食べられなくなっているかもしれないなあ」と思いながら、いつも通りのおかずを並べると…

 

フツーの量を平らげていました。食後のフルーツ(梨)も完食。

食べ終わると、「(ショートステイは)疲れた。」と丸1日以上経った今になっての感想。やっぱり緊張していたらしい。

 

食べ終わってしばらくすると、「トイレに行きたい」。電動座椅子で座面が上がるため、スムーズに歩き出せる。おお!

 

トイレが済むと、まっすぐベッドへ。横になると、「家なら誰かいるからトイレも間に合うように行こうと思うけれど、(病院や老健で)すぐに誰も来てくれないと間に合わなくなりそうで心配だよ」。

 

そうだよね。それが心配だったんだよね。もうナースコール使っていいと思うよ。前回の入院は頑張って長い廊下を歩いたけれど、転倒が心配だから。

 

緊張が解け、ご飯を食べて、トイレに行ってすっきりしたのか、父は気持ちよさそうに眠り始めた。

 

体調には波がある。そして少しずつだけれども割と早く衰えが来る

 

あくまで父を見てのことで個人差はあると思うけれど、体調が昨日と今日でスパッと激変することはないらしい。良い時と悪い時は波のようにあって、それが次第に下降していく。子どもが上向きの波で成長していくのなら、その逆だ。

 

激変ではないけれど、下降のスピードは思いのほか速い。1週間単位で比べるとよくわかる。

 

母が食事に神経質すぎる反応をするのはよくわかる。「もう少しだけ長い目で見られない?」と聞いてみたら、「そうするだけの体力がない」。

うん。そうだよね。疲れると判断力も気力も落ちる。本当は母を入院させたいくらいだけれど、検査の数値的に悪いところは一つも無いから、それはできない。

 

今月の後半から、デイサービスの利用が始まる。ショートステイなども組み合わせた利用ができるのって、本当にありがたい。

 

育児の大変さは経験して分かっていたけれども、ひとりの人間が人生を終わらせるまでにも、こんなに周囲のエネルギーが必要なんだってことは今までずっと他人事でわからなかった。

 

メインの介護者ではないから、本当の大変さはわかっていないんだろうけれど、そう思います。