残り時間は限られている
一時は、検査結果も上向いてホッとしたのだけれど。
あれから夫は毎週末に実家へ。今週はお盆休みにかかってしまい、新幹線の切符は取れず。何とか飛行機の席を確保した。
出発前日に義母から連絡があって、「土日は主治医の先生はお休みなんだけれど、担当の看護師さんに『会わせたいご家族がいれば…』って言われて」。
体の痛みが徐々に強くなっているのだけれど、痛み止め自体が体に負担をかけてしまうため、量を減らしたり、飲む間隔を空けたりしなければいけないらしい。
意識ははっきりとしていて、会話も普通にできる。
義母が夕方「じゃあ今日は帰るね」と言うと、一言だけ「俺は帰れないのか」と言ったそうだ。
そうだよね、家に帰りたいよね。
こう言われるのが一番つらい。
何の映画だったか忘れてしまったけれど、登場人物に残された時間がわずかであることを意味する砂時計が画面の端にそれとなく映っていた。
いくら検査の数値が悪くなっても、砂時計の砂がいつ落ち切るかなんて誰にも分らない。ただ、そんなに多くないのだけは確かなんだろう。
夫が後悔を残さず義父との時間を過ごせますように。