夫が亡くなる前に妻がやっておきたい専用口座の開設
父が亡くなる前後に行った手続きで、「これをやっておくといいなあ」と思うことはいろいろあったのですが、
今日は、その中でも「これが一番役に立った!」というものについて。
それは、母(妻)名義で父の死後整理用の口座を作ることです。
人ひとり亡くなると何かと慌ただしいものですが、そんな時のお金の出入りが見えやすくなるからです。
また、金融機関に本人死亡の届を出すと、口座が凍結されてお金を引き出すことができなくなります。これはこれで、どさくさに紛れて他の親族に預金が引き出されなくていいというメリットもあります。
昨年地方に住んでいる叔父が亡くなったのですが、叔母によると、「(お金を)準備してなくて大変だったのよ~。20名の家族葬でも150万円はかかるから!」だそうです。今回12名の家族葬では約100万円かかりました(葬儀費用以外の飲食代等のオプション費用を含む)。
それぞれのしきたりや、葬儀の内容によっても違うんでしょうね。
こんなお金の出入りがある
今回、支払いの主なものを挙げると、
などがあります。入ってくるお金としては、
- 生命保険金
- 香典
- 葬祭料(健康保険から)
があります。これを通常の生活費の口座と分けることで、葬儀関連の収支がわかりやすい。「何かお金の出入りでおかしいことがあっても、紛れてよくわからない」ということを防げます。
現金での入出金には、通帳にメモ書きをします。
こうすることで、関連する手続きの、終わった/終わっていない もわかります。
生命保険金については、〇民共済に入っていたので、病気死亡の100万円がすぐ振り込まれました。もっと大きな額の死亡保険金だとまた扱いは変わってくると思います。
よく、「お葬式代程度の生命保険に入る」っていいますが、手元に現金がない時には、確かに役に立ちそうです。
キャッシュカードが無い、カードの暗証番号がわからない時
今回は父が亡くなる前に本人の指示があり、ゆうちょ銀行で父名義の口座から、母名義の口座にお金を移す手続きをしました。本人(父)と母の身分証や年金手帳などの一定の証明書類や印鑑などがあれば可能でした。
おそらく金融機関によっても違いがあり、揃えるものも多いので、事前に必ず問い合わせて必要なものを確認してください。
ただ、1日の引き出し額に制限があることや、支店によっては慣れていないこともあるので、何回も足を運んだそうです。
キャッシュカードを預かっていれば、もっと簡単なのかもしれません。今回は暗証番号も分からなくなったので、書面での手続きになりました。
その後、口座をどうするか
関連の入出金が無くなった後は、残高があればそのままにして、税金や公共料金の引き落とし口座として使います。公共料金関係の名義変更は、1~2か月かかることもあるので、慌てることもありませんし、ひと段落した後のちょうどよいタイミングです。
元の名義人(父)への請求が口座から引き落とせない場合は、金融機関やコンビニで使える振込用紙が送られてくるので、支払い関係の名義変更手続きは焦らなくても大丈夫です。
支払い専用の口座に、いくらか現金を置いておくことで、母が今後もらう年金=手元で使えるお金になります。生活が落ち着くまでには相応の時間がかかるため、余計な資金移動をしなくて済むこの方法は、なかなか使い勝手がいいと思います。
目的別に資金を分ける
結果オーライですが、母が今後管理する口座は次のようになります(予定)。
- 年金受取口座 : 生活費
- 振替専用口座 : 税金、公共料金支払い
- 定期預金口座 : 施設入所など、主に介護で必要な場合のため
- その他の口座 : 実家のリフォームや修理のため
こうすることで、使うべきところでは惜しまずに使い、目的外に使ってしまうことを防ぐことができます。
よく、男性は年を取るにつれ頑固になったり怒りっぽくなったりすると言いますが、女性は不安になりやすくなるように思います(ウチの母だけかもしれません)。介護関連でも、保険その他の契約についても、とにかく書類が多い!
少しでも、目で見てわかりやすくすることで、「〇〇がわからない!どうしよう!」という不安が減らせればいいなあと思います。
と、ここまで書いたところでこのニュース
遺産分割前に、故人の口座から生活費などの引き出しができるように制度の見直しをするそうです。
夫に先立たれた妻が家を売らなければならなかったり、義父母の介護をした嫁が相続権が無いために苦労が報われなかったとか、制度の隙間で苦しむ立場にある人にはうれしいですね。