母、樹木希林さんの生き方に学ぶ
先日お亡くなりになった樹木希林さん。
実家の母がファンで、番組を録画しては繰り返し見ていました。
9月の終り頃、NHKで密着取材した番組があったそうで、最近はその話ばかり。母にとって特に印象的だったのは、PET検査の結果を図にしたもの。全身にがんが広がっていることが一目でわかったのだそうです。
最近、母はこんな風に言うようになりました。
それほど全身にがんが広がっているのに、希林さんは4本も映画に出演した。私は多少血糖値が高いけれども、他に悪いところは一つも無い。動悸がするのも、とんでもなく血圧が上がるのも、胃の調子が悪くなるのも、全部自分の思い込みが作ったもの。
私はいったい何をしていたんだろう?
母は、時々とんでもなく血圧が上がったり、めまいを起こして歩けなくなったり、目の前が真っ暗になったりするたびに救急車で運ばれるのですが、それで緊急入院したことは一度もありません。
母が長年の思考パターンからすぐに抜けられるかはわかりませんが、少なくとも自分の思い込みで具合が悪くなっているのだけはわかったみたいです。
↑ 去年、父がまだ生きていた頃。
実際に血圧がとんでもなく高くなるので検査などするのですが、しばらく様子を見て家に返されます。
私も、「歳が歳だし、父の介護もあるし、万一のことがあったら」でその度に予定をキャンセルしたり、出先から戻ったりして駆け付けました。「介護で一番大変なのは母なのだから」と、当然だと思ってそうしてきました。
それって、思考停止状態。
もう無条件で駆け付けることはやめることにしました。入院したり、手術が必要になったら駆け付けるでいい。顔を見に行くのも今まで通り。
100%母親優先でも、100%自分優先でもない。冷静になってみれば当たり前のことを、見ないふりをしてきました。私にだって優先すべきことはいくらでもあったのに、けっこう我慢していたみたいです。
私も、樹木希林さんの歯に衣着せぬ物言いは好きでした。今度公開される映画『日日是好日』も見に行きます。
ご冥福をお祈りします。