空の見える窓から

50代、主婦。ミニマリストになりたい。

最後の食事

父は、入院前日にショートステイに出かけたのですが、その日の朝食が「家で食べる最後の食事」になりました。

 

白粥・スプーン2杯

介護用レトルトおじや・1パック

味噌汁

いちご2つ

緑茶

 

ショートステイやデイサービスは出かける前に「行きたくない」「家にいる」などさんざんゴネて、デイなどはお休みすることもありましたが、その日は自分から行くつもりで早めに起き、食事をし、身支度をして出かけたそうです。

 

「食べたくない」「飲みたくない」という父に、顔を見れば「少しでもいいから食べて」「飲まないと脱水症状になるから飲んで」と口うるさかった母。

 

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12月上旬時点では、1日1食または2食。1食目が朝食だと2食目が夕食、起きるのがお昼頃になって昼食が1食目になると、その日はもうおしまい。

 

大体そんなペースで、気が向かなければ拒否→母がうるさく言ってケンカ。

 

ここ数か月は本当に果物をよく食べた。水分が多く、軟らかくてカロリーもとれる。

プラム、梨、柿、軟らかめの干し柿、いちご。果物ではないけれど、トマト、アイスクリーム、あずきバー

 

母以外の家族がいると、つられるのかいいカッコしたいのか割と食べるので、弟(長男)は週1、私は週1,2回顔を出して昼食を一緒に食べるようにしていました。

 

「〇〇が食べたい」というので、作ったり買ってきたりしても、いざ食事になると「それはいらない」ということもそりゃもう多かったそうです。レトルトの介護食なんて、それこそ見向きもしなかったらしいんですが、母が、

 

「これは、昨日〇〇(私のこと)が来た時に、『これなら食べれるかな』ってお父さんのために作ったんだよ」と言ったら完食したそうです。

 

それが、上記の最後の朝ごはんのなかのおじや。

 

嘘も方便といいますが、これがきっと「ついてもいいウソ」なのかな。

 

母はその時のことを何度も話すのですが、

「家にいる間は、最後まで食べさせることができてよかった」

「食べさせてから家を出られてよかった」

「それだけは後悔しなくて済む」。

 

ショートに行ってからの食事内容はわからないのですが、「何も食べずに送り出したら、後悔したと思う」と言っていました。

 

これ、食べさせるのが後悔のない介護と言っているのではなくて、それは人によって違っていて、たとえば、「毎日清拭して着替えさせる」とか、「きちんと歯磨きする」とかあるのだろうと思います。

 

私はどちらかと言えば、飲食を無理強いはしたくない方だったのですが、主介護者である母が満足していて、父が精神的に追い詰められていなかったのなら(少しは負担だったと思うけど)まあ、そういうのもありなのかなと。

 

最近読んだ、とある看護師さんによれば、「喋ることができれば、食べられる」そうだし。

 

今、父は点滴のみで飲食はしていないのですが、昨日、重湯やミカンは食べられるか看護師さんに聞いたところ、「医師に確認します」とのこと。

 

そう、喋ることはできるけれど、今度は誤嚥の心配をしないといけない。もしできるなら、口に含んで飲み込まずに吐き出すのでもいいんだけどなあ。

 

よく、「死ぬ前に食べるとしたら、何が食べたい?」っていうけれど、どの食事が最後になるのか、わからないことだってある。父だって、ショート先から入院して食べられなくなるなんて、ましてや出かける前の食事が最後だったなんて、きっと考えてもみなかったんだろうと思う。

 

食べたいものがあったら、「いつか」ではなく、元気なうちに食べておくのも大事。

 

そんな風に感じました。