介護される父を見て安心する。
各方面で、超絶ガンコ認定された父ですが、
皆さん、医療職、介護職にたずさわるものとしての倫理観や使命感からなのか、どれだけ父がトンチンカンなことを言おうと、理解が遅かろうと、怒り出そうと、冷静さを失わず、「ひとりの人として」向かい合ってくださるのです。
一人でできるのは、手すりのある場所を歩くことと、座る姿勢を短時間保つこと、食事をすることくらいで、あとはほとんど人の手を借りずに生活することはできません。
施設サービスを利用することで、介護者である母の負担はずいぶん軽くなりましたし、じりじりと衰えていく状況を、ケアマネさんや訪問看護師さんが共有してくれます。
今朝も報道されていますが、「キレる老人」「暴言・暴力を振るう老人」が問題視される中、
介護を受ける立場の父に真摯に向かい合っていただけることは、家族にとって大きな心の慰めになるのです。これは私にとって予想外の感情でした。
「自分の身内が優遇されているから」という意味ではありません。社会的に稼ぐわけでも、何かで貢献するわけでもない、むしろ邪魔者扱いされかねない老人にそのように接しているのを見ると、ものすごく安心するとともに、
他人を「稼いでいるから」「社会的地位が高いから」「社会に貢献しているから」「優秀だから」等々という理由で、評価しがちだった自分の視野がいかに狭かったかを思い知らされました。
自分にも、自分の周囲の人にも、これまで私はぞんざいでした。もっと大切にします。