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空の見える窓から

50代、主婦。ミニマリストになりたい。

韓国ドラマの効用

感情の起伏が次第になくなる

自宅療養中の家族を見守っているうちに、自分もいつの間にかヘトヘトになっていました。体力はそこそこあるのですが、気力がない。

感情の起伏がなくなって、喜怒哀楽のうち、「哀」の時期が長かったです。

本人が回復するにつれて、「喜」「楽」も増えてきましたが、ワクワクしたり、ドキドキしたり、とにかく感情が表に出るようなことは無くて、感覚がマヒしたんじゃないかという気持ちが正直今でも抜けません。

 

気晴らしに過去の大河ドラマを見たりしました。 

fukulife.hatenablog.com

 

大河ドラマ ⇒ 韓国ドラマへ 

特別韓国ドラマのファンでもなく、特定の俳優さんのファンでもありませんが、8月以降は韓国ドラマばっかり見ていました。何を見ていたのかというと、

  • 宮廷女官 チャングムの誓い(54話)
  • トンイ(60話)
  • イ・サン(77話)
  • 奇皇后(51話)
  • 雲が描いた月明り(18話)

です。上から4作品は長編です。いやー長い。

時代物ばっかりなのは、やはり「衣装がきれいだから」というのが視聴のきっかけです。

 

いずれも実在の人物を登場させながら、主人公(ヒロイン)についてはフィクション要素が強いため、時代考証の面からは必ずしも正確ではないのだそうです。5本目はネット小説のドラマ化。時代物というよりは恋愛もの・コメディ要素の強い作品でしたが、骨太な構成で楽しめました。

 

テレビ断捨離のつもりが、ドラマ漬け生活へ

普段、ニュース以外のテレビはほとんど見ず、たまに旅番組を見るくらい。引っ越しを機にテレビを断捨離しようとしたくらいなので、ドラマにはあまり縁のない生活をしてきました。

ホームシアター計画を強行に主張するダンナのため、大きくなった新しいテレビで、それまでからは予想もつかなかったドラマ視聴生活となりました。 家に籠ってテレビばっかり見ていると早くボケそうだったので、今までなら絶対にやらないと決めていましたが、予想外に引き込まれました。ドラマおそるべし。

実際には、買い物だ仕事だと外出もあったからこそできることなんでしょうね。

 

ドラマで感情を揺さぶられる

最初はストレス解消の一環で「泣くこと・涙を流すこと」を目的にしていましたが、段々と内容の面白さに引き込まれていきました。

感情の起伏がないと、段々無表情になっていくのが自分でもわかるし、もともとどうしていたのかも忘れてしまいます。楽しいって何だっけ?

途中、長編を見る体力がなくて、「この辺かな?」と思う山場の回をいくつかと最終回だけ見てみたら、全然面白くありませんでした。長編ドラマはやっぱり細部や伏線の回収など、続けて見ないと楽しくないんですね。

 

5本目の「雲が描いた月明り」では、笑うこともできて楽しく視聴できてよかったです。今後は笑えるドラマを探そうかな。

 

バカみたいに長い感想文、ネタバレ注意。

あらすじは、作品公式サイトなどを参照してください。以下は個人的な感想文です。

 

宮廷女官 チャングムの誓い

韓国宮廷料理や漢方医学などの話題を集めた作品。

チャングムは、両親と、女官になってからの親代わりであった尚宮(サングン)を陥れた者たちへの復讐と身分の回復が生きる目的。

本人はひたすら料理する喜び、医術を極める喜びを追求したくても、その目指すところが高いゆえに周囲との摩擦が絶えない。窮地に陥っても智恵を働かせて皇太后と賭けをするなど賢いが、相手の悪意に無防備なところもあってハラハラしました。

 

ただひたすらチャングムの味方になるミン・ジョンホと、最初は駄々っ子のようであったが筋を通して医女チャングムを守った(王命により国外追放)王の二人の対比が良かったです。

10年位前だったか、最初に視聴した時は最初の数話と途中を何回か見逃したせいもあって細かいところがつながらなかったのですが、今回前話通してみたことで改めて気がついたところがたくさんあり、楽しめました。

 

 

トンイ

無実の罪を着せられ、殺された父と兄と仲間の敵討ちをするため、また犯罪者の身内として追手から逃れるために宮中の奴婢となったトンイ。身分を隠して事件を調べていた王と知り合い、事件を解決するなど手柄を立て女官へと取り立てられます。

「命がけ」で官僚の不正の証拠を掴むので敵対勢力に命を狙われるのですが、王がトンイを保護するために側室の地位を緊急に与えます。気づかずにお互いへの気持ちがはぐくまれていたことから、名実ともに側室としてトンイはのちに王子を産むことになります。

 

このドラマで目を引いたのは、トンイが証拠書類や当人の自白だけでなく「物証」を使っているところ。自白は脅迫や嘘で必ずしも事実の証明にはならないし、権力者の意向でどうにでもなりますがが、「動かせない証拠」であれば自白すら必要でない場合もあるのです。

 

復讐劇ではあるのですが、トンイはジメジメした性格ではなく、どちらかと言えばカラッと明るい女性。怒りで激昂するという印象はあまりなく、敵対する人にもなかなか理解を得られない人にも静かに語り掛けます。

 

「目先の利益だけを追い、強引に目的を遂げる。それが力で、政治だとでも?違います。それを罰するのが真の政治なのです。政治だから仕方がない?とんでもない。政治にこそ真心を込めるべきなのです。これからチャン殿も、何が真の力か目にすることになるでしょう」

       59話より。謀反で捕らえられたチャン・ムヨルに対して

 

登場人物の中では、ソ・ヨンギ様がカッコよかったです。

 

イ・サン

朝鮮時代の王権は必ずしも強かったわけではなく、表向きは王を立てながらも、臣下が団結して政治の実権を握るという状況もままあったようです。

世孫(王の後を継ぐ王の孫)であるイ・サンも、世孫だからといって最初から信頼できる家臣が傍にいるわけではありません。変えたい状況があってもことごとくつぶされたり、果ては命を狙われたりと「王族であるのにこの虐げられた状況って何?」という時期が長く続きます。視聴している方もドキドキしすぎてしんどかったです。登場人物のピンチのたびに胸が締め付けられるので。

 

見えにくい愛情を持ちながら、世孫を力のある君主に育てようという厳しい王(祖父)も、名君と言われながらも誤認や脇の甘さ、老いて力を次第に失う様子なども描かれていて、物語により厚みを与えています。

最初は味方がほとんどない世孫でしたが、王宮の外へ出て人材を得たり、庶子でも実力ある者を抜擢したり、自分の意志で動かせる(裏切者だらけではない)軍隊を組織したり、次第に政治を動かす力をつけていく様子は見ていてホッとしました。

ヒロインのソンヨンは、控えめで物足りなさを感じることもあったのですが、芯が強く、ここぞという時には自分の能力や人間関係を生かしてイ・サンを助けます。物語を通して一途に「初恋の世孫さま」を思い続ける心情が印象に残りました。

 

奇皇后

朝鮮時代より前の高麗時代の作品。中国の王朝は元(モンゴル帝国)。

生き延びるために男として成長したスンニャンは、復讐のために最初は元の王宮の奴婢として、皇帝を暗殺しようとします。側室となった同胞に暗殺を止めるよう諭されると、高麗廃王ワン・ユの部下として一度は王宮を去ります。自身の子を皇帝の外戚に奪われたのちには、親や仲間の復讐と、高麗の民に対する不当な扱いを阻止すべく皇帝の側室になって権力を得ようとします。

武芸に秀でたスンニャンですが、奴婢(のちに女官)の時には二重スパイのような役割もし、権力者に翻弄されながらも生き延びるのは戦と同じことを痛感。側室候補になる際には礼法や芸術の素養を身に付けるとともに「論語」「孟子」「韓非子」などの書物呉子孫子兵法書まで学びます。

彼女は直接軍隊を指揮したわけではありませんが、戦闘能力があるために敵の集会に乗り込んだり、かたきに急襲されても相手の目にかんざしを投げつけて撃退するなどヒロインとしては「強い」女性です。

 

とはいえ、これらの戦いは必要だからやっていることだったので、ひと段落して皇帝の補佐と王子の教育に専念するようになると、本来の女性らしい優しさが前面に出てきます。

強さと美しさの落差がこれほど大きいヒロインもそうそうないでしょう。で、そこが魅力でもあります。

 

見どころの一つには宮中の権謀術数とか、通貨や商品(穀物など)の取引による経済が闘争の行方を左右するところだとかあるのですが、単純に時代劇で王宮のきらびやかさが美しいからだけではない政治・経済ドラマとして見るのもおもしろいかもしれません。視聴する側としてはめっちゃドキドキもするのですが、疲れました。

犠牲になる人が多すぎるので。ワン・ユのありかたも悲しすぎました。

あとは、イ・サンもそうだったのですが、ワン・ユも学問はもちろん武芸にも秀でており殺陣のシーンは必見です。韓国ドラマの時代劇の殺陣は剣舞のようです。男性も丈の長い上着を着ているため、斬り合いのシーンでは裾が弧を描き大変華やかなのです。

 

雲が描いた月明り

 今までの作品のように長いともう体力も気力もついていけない、ドロドロの権力闘争にもついていけないということで、気軽に楽しめそうな作品を探していて見つけたもの。

メインの出演者が美男美女揃いでひたすら目に心地よい。

ヒロインのラオンは金勘定も人を出し抜くこともするのに、実に無邪気。清楚な美しさと純粋な気持の持ち主です。生来の賢さはあるものの、学問もなければ武芸もできるわけでもないのに、王太子も筆頭貴族のお坊ちゃんも、最強の武官もみーんなラオンに振り回されます。

本人にその気や悪気がなくても、政治的にも肉体的にも非力なため次々と災難がふりかかり、そのたんびに回りが奔走するのです。

 

イケメン3人衆はいずれも魅力的なのですが、特に印象的だったのがユンソン(筆頭貴族のお坊ちゃん)。

何不自由ない身分ではあるものの、家門の重圧と退屈な生活に辟易とした氷のお人形のような彼が、ラオンのために血相を変えて走り回るようになります。ちょっとこのあたりはコミックス「花より男子」を思い出しました。

それまで心から欲しいものなどなかったのに、やっと見つけた対象に見せる彼の本来の表情はとても暖かい。

ルックスは、「平安時代の見目麗しいお公家さんってこんな感じだったのでは?」と思うような涼しい目元の持ち主。彼を思い浮かべながら日本の古典を読むとまた楽しいのではと思いました。